福祉サービス「就労移行支援事業所」について
就労移行支援事業所とはなんらかの障害を持った方の就職や社会復帰をサポートするための施設。
「パソコンスキル」「ビジネスマナー」「生活リズムの調整」といった就職に必要なスキルを身につけるのはもちろん、施設によっては就職後の定着支援などのサービスも受けられます。
就労移行支援では何ができるのか?
- 生活リズムの改善
- パソコンスキルを身につける
- グループワークやディスカッションの訓練
- 自分の適性に合った職場探しやアドバイスを受けられる
- 書類作成や面接練習など就職活動のサポート
就労移行支援事業所を利用できる方
- 一般就労を目指す方(無職または休職中の方)
- 18歳以上65歳未満の方
- 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方
- 障害があることで、働くための一歩を踏み出せない
- 働く意欲もスキルもあるが、健康面や生活リズムに問題がある
- 対人関係が苦手で就職活動に自信がない
- 休んでいる間に体力が落ちてしまい、いきなり働くことに不安がある
- 就職のためのスキルを身に付けたい
- 再就職したいけどまたうつ症状が悪化しそうで怖い
利用するには障害者手帳が必要か
医師の診断や定期的な通院があれば、障害者手帳を持っていなくても利用することが可能な事業所がほとんどのようです。
障害者手帳は不要ですが、精神状態や症状次第では負担になってしまう可能性があるので、医師に通うことを相談しておきましょう。
利用料金はどれぐらいかかるの?
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)。 | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
どのようなプログラムがあるか
以下が主に組まれているプログラムですが、事業所によって細かいプログラムの内容は異なります。
- 生活習慣改善プログラム・・・ウォーキングや筋トレ、ヨガなど
- 再発防止プログラム・・・自己分析やセルフケア、ストレスとの向き合い方など
- スキルアッププログラム・・・PCスキル、グループワーク、電話対応など
- 就職プログラム・・・模擬職場、書類作成や模擬面接など
仕事上で必要なスキル(PC操作やコミュニケーションなど)に特化しているところもあれば、うつ症状などの再発を防ぐための自己分析やストレス対策に力を入れているところなど様々です。
最近ではIT関係のスキルを学ぶことができる事業所もあるので、複数の事業所を比較しましょう。
事業所を利用する場合はご自分に必要なものが何かを整理して、スタッフと受けるプログラムを相談しましょう。
週何日、何ヶ月ぐらい通うのか?
利用者の休職期間や症状、施設によって一概には言えませんが、3ヵ月〜1年の通所が平均のようです。
早い方で1ヶ月から3ヶ月、遅い方で1年半から2年で就職しています。
最初は体調をみながら
事業所の利用が決定すると、1日に何時間、週に何日通うかなどをスタッフの方と相談して決めていきます。
いきなり週5回の8時間通うのではなく、ご自身の体調をみながら徐々に通う頻度や時間を増やしていきます。
通所前の注意点
就職先を斡旋してくれるわけではない
再就職を目的にしている施設で、職場体験や合同面接などの案内がある場合がありますが、基本的には就職先は自分で探すことがほとんど。
ハローワークや障害者向けの転職サイトを利用して、再就職先を探しましょう。
優しい世界のようだがツライ事もある
事業所内ではプログラム中であっても「人を否定しない」などのルールがあります。
スタッフの方も相談に乗ってくれる方が多く、表面上は優しい世界です。
ですが、通所する目的はあくまでも「仕事をするためのトレーニング」。
楽しいことだけでなくツライことも起こります。
- 人の前で発言するプログラムが怖い
- 自分の苦手なことに向き合わないといけない
- 自分より後に入った人が先に就職したり、スラスラと話したりする
ツライこともありますが、それを克服したり、対処法を学んでいくのも事業所に行く目的のひとつです。
通所する際は、楽しいだけではなくツライこともあるということを理解しておきましょう。
まずは資料請求と見学をしよう
主治医の先生と就労移行支援へ通うことを相談したら、資料請求してみましょう。
無料見学や体験を行なっているところも多くあるので、施設へのアクセス方法や雰囲気を知るためにも一度見学することをお勧めします。
また、ホームページに1日の流れや1ヶ月の予定表などを載せているところもあるので、チェックしておくとイメージをつかみやすくなります。
基本的に遠方からも通うことが可能ですが、通勤トレーニングも兼ねているため通うのに無理のない施設を利用するようにしましょう。