うつ病での障害者手帳の申請手順【精神障害者保健福祉手帳】

【うつ病・発達障害】障害者手帳の申請手順【精神障害者保健福祉手帳】
今回はうつ病になった際の障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の申請について紹介していきます。

うつ病と診断され、長期の治療が必要になる場合は、障害者手帳を持っておくことで、ご自身の人生の選択肢を増やすことができます。

必要な書類や手続きを簡単にまとめているので、是非ご覧下さい。

精神障害者保健福祉手帳とは

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。

精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。

参考:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳」

精神障害者保健福祉手帳の申請対象となる方

てんかん・発達障害を含む何らかの精神障害により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象としています。

また、病院の初診日から6ヶ月以上経過している必要があるので注意しましょう。

精神障害者手帳の申請対象となる方
  • 統合失調症
  • うつ病・躁鬱病などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物依存症
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害)
  • その他の精神疾患(ストレス関連障害)

精神障害者保健福祉手帳の等級は1〜3級まである

精神障害者保健福祉手帳の等級表
1級精神障害であって、日常生活の用を升ずることを不能ならしめる程度のもの
2級精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若くは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

精神障害者保健福祉手帳の申請に必要なもの

精神障害者保健福祉手帳の申請に必要なもの
  • 障害者保健福祉手帳申請書
  • 医師の診断書(又は、障害者年金を受給している場合はその証明書の写し)
  • マイナンバーの分かるもの
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 印鑑

※診断書は初診から6ヶ月が経過している場合に作成され、作成から3ヶ月以内に申請する必要があります。

※自治体によって必要なものが異なる場合があるので、市町村の保健センターや障害福祉のHPまたは窓口へお問い合わせ下さい。自治体によって身分証明書等が必要になります。

 

障害者手帳申請の手順

障害者手帳申請の手順
  1. 医師に障害者手帳の診断書を書いてもらう。
  2. お住いの市区町村役場の担当窓口、またはホームページから申請書を受け取り、記入する。
  3. 申請書・マイナンバーの分かるもの・診断書を担当窓口に提出する。
  4. 審査後に交付通知書が郵送されてきます。(約2ヶ月程度要する)
  5. 申請した担当窓口に交付通知書・写真・印鑑を持って行き、手帳を受け取る。

 

申請から受け取るまでに約2ヶ月程度かかる

申請すると精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、認められると手帳が交付されます。
審査のため、手帳が発行されるまでに2ヶ月程度かかります
審査後に交付通知書が郵送されてくるので、審査が通過していたら申請した窓口に交付通知書を持って行き、手帳を受け取りましょう。

 

手帳には有効期限がある

手帳の有効期限は交付日から2年が経過する日の属する月の末日となっています。
2年ごとに、医師に診断書を書いてもらい、更新手続きを行う必要があります。
障害が軽減すれば手帳を返還したり、更新を行わないことも可能です。

 

障害者手帳を持っていると受けられるサービスやメリット・デメリットは?

全国一律に行われているサービス

全国一律に行われているサービス一覧
公共料金の割引NHK受信料の減免
税金の控除・減免所得税、住民税の控除
相続税の控除
自動車税・自動車取得税の減免
その他生活福祉資金の貸付
手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
障害者職場適応訓練の実施

地域・事業者によって行われていることがあるサービス

地域・事業者によって行われていることがあるサービス一覧
公共料金の割引鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
携帯電話料金の割引
上下水道料金の割引
心身障害者医療費助成
公共施設の入場料等の割引
手当の支給など福祉手当
通所交通費の助成
軽自動車税の減免
その他公営住宅の優先入居

 

就職の際に障害者雇用枠への応募ができる

通常の雇用である「一般雇用」に加え、障害者の方の雇用枠である「障害者雇用枠」への応募が可能になります
障害者雇用枠で就職することにより、症状や体調、通院などへの配慮を受けながら働くことができ、周囲の理解が得やすい環境で働きやすくなります。

 

公的なデメリットはない

障害者手帳を持っていることで公的なデメリットはありません。障害者手帳は必要無くなれば返却も可能です。

就職の際に障害者手帳を持っていることを開示するかどうかは自分の意思決めることができるので、必ず会社に手帳の所持を伝える必要もありません。

あえてデメリットを挙げるのなら、「更新手続きとその書類管理が必要」「手帳を持つことに理解がない人がいる」「手帳を持つことを自分自身で受け入れられるか」という点が挙げられます。ご自身の生活に必要かどうかを考え、申請をしましょう。

 

申請前に:まずは担当医師と相談しよう

障害者手帳を申請する前に医師の方に、自分がどのような理由で手帳を申請するのか相談しましょう。

手帳を持っていても、使わなければ意味がありません。

手帳を何のために使うかをハッキリとさせておけば、「手帳を持つということを自分自身で受け入れる」ことも少し楽になると思います。

精神科の医師は手帳の申請についても詳しい方が多いですし、しっかりと自分の症状を伝えておけば、診断書も審査に通り易くなるように具体的な内容で書いてくれます。

 

手帳申請の際は自立支援医療制度も一緒に申請が可能

自立支援医療制度は、精神科病院に通院する際にかかる医療負担を10%にできるという制度です。

障害者手帳と自立支援医療は申請する際、それぞれに診断書が必要なのですが、同時に申請することで1枚の診断書で申請が可能です。

 

まとめ:障害者手帳の申請

以下が精神障害者手帳の申請のまとめになります。

このページのまとめ
  • 申請前に医師の方に相談をする。
  • 診断書の作成には初診から6ヶ月が経過している必要がある。
  • 申請書はお住いの市区町村役場で貰うか、そのHPでダウンロードする。
  • 必要な書類などを持って市区町村役場へ行く。
  • 審査に通過する必要があり、約2ヶ月ほどかかる。
  • 審査後に送られてくる交付通知書・写真・印鑑を持って手帳を受け取りに行く。
  • 手帳には有効期限があり、2年ごとに申請が必要。
  • 自立支援医療制度を同時に申請することで、診断書が1枚で済む。

障害者手帳は交付までに時間を要するので、就職活動に使用する場合は早めの申請をオススメします。

手帳の申請は公的なデメリットこそありませんが、手帳を持つことを自分自身で受け入れることが必要になります。

申請手続きはそれほど難しくないので、医師の方と相談して必要であれば申請しましょう。